進化する猫 🐈

猫も進化する‥それだけのことなんですニャ~ン😹

箱伝説/浦島太郎

悪童たちに苛められていた亀が浦島太郎に助けられた噺(はなし)があります。この噺を今回は書きます。どなたもご存知で退屈なさるかもしれませんから読まないほうが無難かも知れませんが⋯私の好きな噺ですので、このまま続けさせていただきます。

心やさしい浦島太郎は亀の恩返しを受けて生涯を幸せに楽しく過ごしましたね。私はこの「」をとても大事に思っています。ところが聞くところによれば浦島太郎は幸せに終らなかったという捉えかたをしてらっしゃる方が随分大勢いらっしゃるとか。

肝心なのは当人の気持ちでないのかな⋯私はそう思いますが、あなたは如何でしょうか?当人・太郎が幸せな生涯を送ったと想ったら幸せだし、不足を感じたら幸せでない。結局、太郎は幸せに生涯を送らなかったと思った人は不足を感じたのだと思う。

仮に⋯大根飯をご馳走になって「有難い有難い」と感じる人は大根飯にご馳走の恩を感じている。だが「なんじゃ、大根飯か」と思う人は大根飯に恩を感じない。このように恩を感じるも感じないも当人の問題です。浦島太郎は恩を感じたと私は思う。

もう少し続けます。浦島太郎は永い永い年月を竜宮城で楽しく幸せに過ごした。それはどなたもご存知ですね。一生分も二生分も幸せに過ごした。欲のない浦島太郎は亀を助けるために相応の代償を払ったのはご存知ですよね。欲のない浦島太郎です。

御みやげに貰った玉手箱を手にして村に帰った浦島太郎。しかし太郎が知っていた村人はとっくに老いて亡くなっていた。太郎より若い人たちも老いて亡くなって永い時が過ぎていた。浦島太郎は当時の平均寿命の倍も元気に幸せに暮らしたのだろう。

どうして歳を取らなかったのか?どうして元気でいられたのか?「亀の恩返し」というのが玉手箱のお噺の筋書きです。浦島太郎は恐らく亀の寿命を貰って過ごしたのではなかろうか。竜宮城での年月は亀の寿命を借りて使って過ごしていたのです。

それで玉手箱には何が入っていたのか?竜宮城で過ごした年月の浦島太郎の命の「魂」に違いない。太郎は箱を開けて己の命の魂を受取った。借りていた魂は亀の元へ返る。玉手箱を開けなければ亀は生き返れない。恩を知る亀と恩を知る浦島太郎。

箱を開けることで浦島太郎は恩知らずにならずに済んだのです。浦島太郎が亀を助けたのは亀の命を奪う目的ではありません。浦島太郎は人の命も亀の命も大切に想っていたのでしょう。私も恩を知る人間として生涯を通したいと思うのです。(管理人)