考・ナショナリズム⓵

今年、元旦早々からnhk「100分de」が放映されて⋯それも特別篇でした。豪華な講師陣が一堂に会して意見・想いを寄せ合った、その番組に感じる所を遅ればせながらココに述べてまいりたい。

ナショナリズム…私には馴染みのある言葉でなく、正確な日本語訳がある訳でもなさそうだ。人々が一つに纏まろうとする単位が国家単位なら国家主義、同一民族なら民族主義と呼べるし、あるいは国民主義とか宗教国家になるのだろうが、それらの思想をひっくるめてナショナリズムと理解して概ね良さそうだ。只私は、言い回しに大して興味を持てないから、私なりの理解の仕方で感じる儘(まんま)を述べることにする。たとえば鰯玉…思想/宗教の概念に鰯が則って動いているかどうか…私は知らない。また、意識・無意識のドチラであれ、人(あなた)はナショナリズムに則っているとされる…のかな！？

是の理解に誰もが納得できる反論がなければ…思想/宗教の概念に引きずられ過ぎるのは賢くないかも知れない。1980年代にオーストラリアの大学で人文系・社会科学系の先生から採ったアンケート調査では「21世紀にナショナリズムは歴史的使命を終える…」という意見が多数を占めたとか。鰯玉の伝でいくなら、ナショナリズムが歴史的使命を終える場面は有得るし、使命はマダマダ続くとも言えるのでなかろうか？鰯玉に虚を突かれるモノはあるだろうし、鰯玉を丸呑みしてしまう鯨のような存在は居なくなると考えないほうが健全な感覚であるとも言えるでしょう。つまり、集団には集団としての価値も欠陥もある。

居心地はどうか？居心地が好いから鰯は鰯玉を造るに違いない。安心できるとか、餌を獲るのに有利だとか、あるいは鰯玉の中は「アナタ任せの無責任にすごせるスペース」とか…。責任には自由が具わるが、命懸けという危険も圧し掛かる。神さんだって仏さんだって安眠を必要とすると考えられるなら、人間のあなたや私には尚のこと、安らかに過ごせる時間が時々は欲しくなるのが健全な姿に違いない。結局、鰯玉を失くした鰯は安心できる居場所を失くすが、同じように人間用の居場所を得られない人間はどこで安眠できるだろうか！？ すなわち、他者の居場所を奪う所業は害悪に違いない。

鰯玉の仲間たちは個々の鰯にとって運命共同体なのです。仮に運命共同体から外された鰯は弱り易くなり、生延び難くなると考えるべきです。その伝でいくとき、私は私の安寧の場を大事にしたく想うが、じっさい大切にしようとする。ところが誰かに害悪を為そうとする個人や集団が現われるとき、その誰かは何らかの手段を講じて己が身の安全を図らなければならず、害悪を取除くことも考えることになる。その誰かがあなたなら？あなたは害悪を懲らしめ・罰し・平和を得ようとするのでありませんか？しかも、あなたのその行為を私は理解する。勿論、私は罰する思想/宗教を持ちませんけれど…です。

念のために申せば、「あなたが運命共同体に属することを積極的に応援する思想/宗教は私のモノです。「あなたを運命共同体から外そう・入れまい」とする思想/宗教や言動は人間に対する害悪であれば、その言動を私は受入れません。このように導かれてきて、「運命共同体＆人間」を支え・力づける思想/宗教を魂とするナショナリズムを私は永遠に守りたいと思う。このように人間を大事にし、みんなの安寧・繁栄を追求するナショナリズムであれば、あなたにも受け入られるのでないだろうか？そのためにも私は「互いに憎み合い・傷つけ合う思想/宗教ではいけない」と断ずることにもなる。

罪を憎んでも、人を憎まずで結果的に良いナショナリズム(＝平和な社会)が育つ。私はそう思うのですよ。了。