進化する哲学➊

350余年前にも人々はパンデミックの恐怖に見舞われたようだ。それは世界の何所の国にも民主主義の「法」が流布していなかった頃だと思うが、「思想/宗教」の世界だけは歩を前へ前へと進めていたようだ。その代表的なものとして古代ギリシャの神々・旧約のヤハウェ・新約のキリスト教・そして仏教が私の脳裏に浮ぶ。男神中心のギリシャ神話はパンドラの箱の女神の愛の伝説へと昇華し、それは旧約の男神ヤハウェに引き継がれ、さらに新約キリストの母性愛へと花開いたのを感じる。古代ギリシャ神話との関係までは分らないが仏教は慈父・悲母の慈悲の宗教であり、時代とともに進化する哲学に違いない！

進化を推奨する宗教/仏法が私は好きだし、これ以外を受入れることは私にはできない。その点、キリスト教は完璧を謳う宗教であり進化の余地は全くないところが哲学的に思えなくて、私は全面的に受入れることが出来ないが、理解するし・受入れるべきところは受入れている。最高峰まで究めた(結局、それ以上進化しない)思想/宗教が好みのお人は現代人に多いようで、それはその人の生き方(思想/宗教)であれば、「間違ってるよ！」と教えてはあげられても、首に縄をつけて引っ張るのは民主主義に合わず・人権に反していて、私の「思想/宗教」(哲学)からも・信仰・思想の自由からも到底肯定できない。

信仰する者は進化するか？進化しないか？このことは私にはとても重要で、例えば須梨槃特（すりはんどく）はイツか必ず私を導いてくれる大恩人であれば報恩の心で接しても、決して馬鹿に出来るものでない。これはもちろん、私の「思想/宗教」に拠っているのですが、須梨槃特を馬鹿にする人を大勢知っているし、この紙面をつかって「それは駄目だよ」と教えておきますが、『俺の宗教が須梨槃特を馬鹿にするように仕向けているんだ』という理屈は私にも理解できます。私の感覚的には須梨槃特は進化して維摩詰(ゆいまきつ)に成長したと思いたい。そう言えば維摩詰も相手にされませんでしたっけ。ともあれ、了。