交さ路(12)／モモ⑪
＞キリスト教文化圏で育ったエンデはちゃんとした説明が苦手であっても…
直前の記事で私は上記のように書いた。さらに͡続けて「日本の知識人にはちゃんとした説明をする場がなくても」としたい。あなたはちゃんとした説明が欲しいのでないか？知識人が駄目でも、ちゃんとしたあなたが一休さんやモモを全うに導いたらいい筈です。私はそう思う。御あつらえみたいな番組をnhkが昨日20日に流したのでそれを使わせていただく。それはフェイク・バスターズ「‟ひぼう中傷” 被害を減らすために」です。sns(ツイッター等)での誹謗中傷に悩まされる人は多くいて、現代の私たちはこの課題に答えをどう導きだすかが問われている。
因みに幽霊退治人を意味する"ghostbusters"に倣うとき、"fakebusters"は「嘘を退治する人」と読むことになる。ゴーストは真か・偽か？人は真か・偽か？／どちらの言い分が真実で、どちらが嘘か？ともあれ、私たちはそういった視点からこの番組を検証すべきだと読めないこともない。すなわち、誰もが好きに理解する。ネット情報を観て事実か嘘かの判別は難しい。結局、大多数の人は多数派(マジョリティ)に属そうとする。いわゆる、「赤信号・皆で渡れば恐くない」の皆がマジョリティ。たとえ間違った場合でも「俺だけじゃない」で済みそう…？
その屁理屈が通る組織・集団では誰も責任を取らない・責任を果たさない・だから無責任になるのかもね？私のなかの一休さんは水飴をチョロマカソウとしない。あなたのなかの一休さんはどうですか？禅寺の一休さんを善導する人はいなかったみたい。いくら賢い一休さんでも善導されなければチョロマカス生き方が心身に沁みつく。人の子も善く学んでいくなかで善い道を覚えるのです。仲間に染り・家庭に染り・集団に染り・社会に染り…そうして歳を重ねるなかで己の思想は固まっていく。チョロマカした未熟な一休さんも善導されなきゃ...駄目ですよ!?
それでnhkの課題は‟ひぼう中傷”被害を減らすために」ですからね。このように大雑把(おおざっぱ)な質問なら回答はいっぱい考えられる筈ですが、コメンテーターの皆さまの回答はどなたもnhkの意向に沿おうとしたのでしょうか？罰論がズラリと並んでいる。罰論の回答を紡ぎだしながらも人間の良心がドコカに感じられるのは嬉しく思います。罰論は必ず「敵をヤッツケロ」になるから可笑しくもある。悲しい回答、「憎いアイツを一緒に遣っ付けようね」と応援のメッセージを貰ったら嬉しくなるのも分る。なにせそれも人間の本性に違いないよね。
罰が考えられるなら賞も考えられる。「よく我慢したね」って賞賛するのは誰でも出来る。賞罰以外で…被害者がいるなら加害者が必ずいる。加害者⋯悪く学べば悪く育つのが人間です。すなわち、加害者は必ず被害者に違いない。罰すだけで済ませるべきか？チョロマカス癖が身に付いた禅寺の一休さんも加害者。一休さんは酷い教育で育った。一休さんを救う必要はないか？被害者を「よく我慢したね」って賞賛するのはどうなったの？なにも知らない癖に加害者ってことだけを論(あげつら)うのは如何なものか？あなたも禅寺の一休さんを慰めてあげませんか？
「酷い目に遭ったときは相手を罰してやれ」ってアドバイスは分る。酷い目に遭った織田信長は寺を丸焼きにして僧侶を皆殺しにした。罰してやれって一休さんが思ったらどうなる？権力者の息子が「罰してやれ」って思ったら仕返しの手段は限りなく多い。日本人を全員罰してやれって思ったとき「あなたの家族」が罰せられても当然なのか？だから私だけでもあなたの家族を守りたいと言っているのです。nhkの記事中、新型コロナに感染した高校生リョウスケ君は被害者に違いない。彼は高校生になるまで順調にきたようだが、今は状況が変わった。
リョウスケの母親は息子を守ろうと立上がった。敵を遣っ付けようとするこの母親の気持ちは分る。彼女には他所の子まで守ってやる心の余裕はなく、今は息子の敵を叩くのみ。それでnhk"fakebusters"の大義は参戦か？参戦するなら勝たなければ苛めは止まない。苛めが止むまで人間相手のヤッツケ合い(戦い)を続けるのが本当に良いことなら、その戦いを敢えて止めようとは私も思わない。あるいは「そんなこと知ったこっちゃない」で構わないだろうか？他所の誰が辛かろうがそんなこと自分には関係ないで済ます思想は如何なものだろうか？
